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米国式請求書の読み方 INVOICEの体裁

対米不動産投資家の中山道子です。ところ変わると、文化が変わるということで、私のお客様は、米国式の請求書、明細というものをご覧になったことがない方が多いわけで、お支払いのINVOICEを転送すると、ほぼ必ず、「了解しましたが、支払い方法は?」というご質問になります。

 


別段、わかりにくいことはなく、米国人にとっては、なんでこんなことが??という感じなのですが、まずは、具体的なサンプルを、ご覧になってみてください。

オンラインのサンプルです。WIKIHOWというウエブサイトから、利用させていただきました。日本人からすると、シンプルすぎるでしょうか。

 

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確かに、一見、「こちらに振り込んでください」などの銀行情報がありません。日本なら、当然なのに、、、ここに、皆さん、戸惑われるのですね。


米国では、一般に、支払いは、小切手で行われるものであると想定されています。

そのため、請求書の仕組みは簡単で、以下のルールだけです。


小切手のあて先: 
他に指定がなければ、請求書のレターヘッドにあるビジネスまたは個人の名前を使うこととなります

小切手の郵送先: 
他に指定がなければ、請求書のレターヘッドにあるビジネスの営業住所を使うこととなります


なので、上の例の場合は、


■ Ted's Lawn Care あてに小切手を書く
■ 金額は、486ドル
■ 左上にあるOFFICE PARK以下の住所に郵送する


ことが、期待されているのです。

銀行口座は、会社でなくても開設できるので、


個人名
ビジネス名(DBA、DOING BUSINESS ASの略で、屋号のこと)
会社名(LLC、PLLCなどの略称が後ろにつきます)


などが、レターヘッドに書かれていると思います。もうひとつ日本と違うのが、支払いの〆め日が書いていないことでしょうか。サービスは、最初に提供しますから、記載がなくても、米国では、請求書が届いたら、最大1ヶ月以内に、最短すぐに、支払いをすることが、要求されています。なので、振込み期日が書いていないから、3ヶ月先にしようなどとはくれぐれも考えないでください。

上の場合、TED'S LAWN CARE というのは、たぶん、会社組織になっていない小規模事業主のDBAを想定しての例なのかなと思います。実際、地元の州なりに、DBAを届け出ると、その書類を提出したりすることで、銀行で、DBAの名義で、口座を使うことができます。

 

以上、ご説明すると、簡単。

クレジットカードは、手数料がそれなりに高いので、多くの業者さんは、小切手を回収に用いることを好みます。というか、ひょっとしたら、業者さんの好みというより、消費者の志向に合わせているからこうなっているのかもしれませんが。消費者にとっても、普通郵便にかかる郵送代のほうが、通常は、振り込み手数料より安いですので、この方式を好む伝統が、あるのです。

 


今の時代は、相手の口座詳細があれば、オンラインで、相手に、その場で振り込めますから、本来、こちらが主流になってもいいと外国人は思うわけですが、米国人にとっては、月末に、ためておいた請求書を、一度に確認し、小切手を書いて、手紙として出す、という行動パターンが、どうも、文化として根付いているらしく、また、家計簿をつける習慣は、あまりないと思われる米国人ですが、「まめなタイプの米国人」にとっては、小切手帳の裏の帳簿を使い、小切手の支払い明細をつける習慣が、それに変わる「毎月の家計管理の方法」であるという伝統もあり、小切手決済の勢力は、衰えないのでしょう。

そのために、クレジットカードや振込みを受け付けている業者であっても、カード情報を要求したり、口座振込み明細を請求書に掲載したりはせず、第一オプションは、小切手を想定したシンプルなフォーマットになっています。

もちろん、今は、クレジットカードを利用したいお客さんさんも多いので、そういう人は、「電話をして、カード情報を教える」ことがポピュラーです。電話会社などのちゃんとした大手は、請求書に、カードのマークが付いていることも多いでしょう。

ただ、日常のやり取りでは、小規模事業主が多いので、そういう業者さんは、多くの場合、クレジットカードを受け取る体制をとることができていないことが多いです。上の例では、芝生を刈る業者さん。普通に考えたら、弱小の便利屋さんのようなものでしょうから、米国の常識で言うと、このランクのビジネスは、クレジットカード対策は、手数料や、審査の問題があるので、たぶん、していないでしょう。

そもそも、日本から、クレジットカード情報をメールするのも、気が引ける方も多いと思います。夜中に電話でカード番号をやり取りするのも疲れますね。カード情報を相手先にファックスするというのは、ひとつの手ですが、誤受信がないか、結局、確認しなければいけなくなります。

こうなると、遠隔の投資家にとっても、米国の業者さんを相手にするときは、やはり、小切手が、圧倒的に、手っ取り早いですね。


小切手を振り出すには、米国銀行のオンラインBILL PAY機能を使うことが、一番便利です。BILL PAYには、カード事故に対する保険も、付いています。しかし、話が長くなるので、今日は、INVOICE(請求書)の話に、集中しましょう。

 


下は、ある弁護士から、私のお客様に、届いたもので、TAX APPEAL(固定資産税の金額が高すぎるという行政抗告)の代行を行ったことに対するINVOICEです。実際の請求書なので、固有名詞該当箇所は、大体、ホワイトアウトしてあります。

 

 

この弁護士事務所は、オーナー弁護士の名前を掲げており、わかりやすさのためだと思いますが、オーナーの ”RICHARD XXXXX”という名前で、ビジネスをやっているようです(DBA)。

 

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デザインが違うので少しわかりにくいかもしれませんが、請求を立てる側の連絡先が、一番上に来ていますね。(手紙のLETTERHEADと呼ばれる部分)

それから、具体的な名前は消してしまいましたが、左側に、顧客名。右側に、日付。

その下に、明細部分。最終的なBALANCEは、今回、854ドルでした。

そして、その下の部分には、


Please make check payable to "Richard XXXXX,"
If you are in process of or have already filed for bankruptcy, you must notify our office immediately so we may administer your account properly.


と丁寧な説明が。

たぶん、この弁護士は、TAX APPEALもそうですが、多くの破産(bankruptcy)問題などを抱えている消費者関係の業務が多いのだと思います。リテラシーがそれほど高くない一般顧客が多いのでしょう。


内容は:

小切手は、RICHARD XXXXの名前で、お切りください。もし、破産申請中や破産宣告後の場合は、別途、適切にご請求業務に対処する必要がありますので、直ちに当事務所にご連絡ください。


以上、「一度、わかれば後は簡単」な、米国式INVOICEの紐解き方でした。