アメリカ不動産で資産倍増中!

2003年から対米不動産投資、現在は、物件購入せず、独自の手法で100万ドルを年率10%で運用中です

不動産投資用の米国 LLC の設立場所選択は、タックスヘイブンかどうかではなく、年間維持コストと物件所在地で決めます

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アメリカ不動産投資で資産倍増中!」ブログの中山道子です。

 

この記事のまとめ

米国不動産投資をする際には、LLC を設立することにメリットがありえます。この記事では、「どの州で設立するべきか」という決定を下すに当たり、ご参考として、「各州ごとの年次手数料」の一覧がわかるウエブサイトをご紹介しておきます。

不動産投資の場合は、デラウエアのようなタックス・ヘイブン州を選んでも、別に節税効果は、ありません。

 

私は、2002年から、米国不動産に投資してきており、現在は、投資収益で食っていくという「セミリタイア生活」を送っています。

 

セミリタイア」で、「完全リタイア」でない理由は、自分自身が、割合アクティブに、投資家として行動しているということの他、少数の投資希望者様向けに、わたしの行っている投資案件をシェアし、お世話をしているから。

 

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今日はびっくりすることがありました。

 

投資案件で私がお世話している投資家様が、「日本人の税理士さんに聞いたところ、カルフォルニアで LLC を設立する手伝いをしてあげるから」といわれたというのです。

 

日本在住の方が、わざわざ、カルフォルニアでの LLC 設立を勧められたという話を聞いたのは初めてです。

 

というのも、カルフォルニアには、法人均等割のような税金があり、それは、FRANCHISE TAX と呼ばれているのですが、その最低額が、年次で800ドルなのです。

 

FRANCHISE TAX という税金を、均等割と説明してしまうのは乱暴かもしれませんが、全く儲かっていなくても、800ドルを毎年払う必要があるのですから、実質、こちらにとっては、そういうイメージだということで、日本の税金用語を使ってみました。

 

このように、カルフォルニアの LLC 維持コストは大変高いので、カルフォルニアで LLC を設立する場合は、カルフォルニアで実際に営業をする必要があることが大前提。

 

実は、不動産の場合は、「法人を設立した州」ではなく、「投資先の不動産のある場所」が LLC 営業場所となります。

 

このように、「カルフォルニアを、LLC 設立場所として選ぶ」ことには、大して意味がなく、そういうアドバイスを受ける方は、少ないだろうと思うのですが、全く逆の思考方法を取られる方は、もっと多いです。

 

どういうケースかというと、下のような感じです。

「州税がないデラウエアで LLC を設立し、カルフォルニアやハワイで物件購入すれば、賃貸収入も、値上がりした利益も、州税については、ゼロで済ませることができるのじゃ!?」

実は、こういう問い合わせをされてくる方のほうが多いですが、これは、無理で、不動産の場合、投資先の物件がある州で、該当州の決まりに応じた納税が必要です。

 

そのため、だれでもが、デラウエアで LLC を設立するメリットは、別にないのです。

 

むしろ、デラウエアで登録フィーを毎年払うコストに加え、不動産のある州で、再度、LLC 経営ということで、事業登録フィーを払う必要が生じる場合があります。こうなると、2つの州で、ダブルにコストがかかることがありうるようです。

 

ですので、不動産投資家が、カルフォルニアで、LLC を作るメリットは、「カルフォルニアの不動産を買い、個人名でなく、LLC 名義で不動産賃貸業を経営したい」場合のみ。

 

個人名義でカルフォルニアに不動産を所有する場合は、このフランチャイズ・タックスは不要になるのですから、カルフォルニアに物件を持つ場合でも、LLC 名義を使うかどうかは、事情に応じて、厳密に計画・計算するべき。

 

さて、私のお世話をしている投資家様のお話に戻ると、この方は、私の案件への投資をメインに LLC 設立を検討されています。

 

そして、私の不動産投資案件については、「カルフォルニアに法人を設立するメリットも、義務も、特に無い」のです。そのため、カルフォルニアでの LLC 設立の勧めを受けたというお話を伺い、この方が、実際にそうされる前に、この一覧表の紹介をされているウエブサイトをご紹介しておくことを考えつきました。

 

LLC Annual Fees by State

 

申請手数料は、どの州も、100ドルかからないところが多いです。

 

多くの州では、「均等割」はありませんが、FILING FEE というものが、毎年かかります。

 

これは、どういうものかというと、「LLC が本当にアクティブか」ということを確認するため。これを毎年しないと、LLC は自動失効します。

 

最近は、多くの州でオンラインで再登録ができるので、税理士さんや地元の人に代行してもらわなくても、自分で行うことが可能。

 

ここで、再登録費用が一番高い州をリストにしてみると、カルフォルニア、ぶっちぎりでトップ独走ですね。

 

州税がないことで有名なデラウエアやネバダも、「均等割」的な少額の維持費があるようですね。

 

また、ワシントンも、ワシントン州は、更新手数料は安いですが、ワシントンDC 市内は、インフレ気味。

 

これら以外の州では、LLC の年間維持費、アイダホの無料が目立ちます! 私は、ミシガンに LLC を持っていますが、毎年の年次手数料は、オンライン登録フィーの25ドルだけです。

 

LLC をどこに設立するかは、簡単に思えるようで、割合、個別事情によります。

 

「この州は、タックスヘイブンだと聞いたから」「知り合いが世話してくれると言ったから」といった程度で決めてしまうより、「該当 LLC を使い、何がしたいか」に基づいて、決定していきましょう。

 

私自身に相談をされる場合、私は、このため、「まず、私の投資を個人名義でやってみられてから LLC 設立をされてみればいかがですか?」とお答えするようにしています。御本人の方向性を決め、また、LLC 設立のプランニングをするのに、多少、時間が必要だからです。

 

ちなみに、米国のレートでいうと、多くの場合、 LLC 設立代行費用は、一般に、250ドル前後だろうと思います。印鑑とか定款を入れる専用のバインダーが入った一式セットになったタイプをオーダーすると、500ドル前後になりますが、そういう小道具は、別に必要ありません。

 

もう一点、年間コストに関係する部分として、営業住所として、事務所を借りる体裁を作る必要があります。 この貸し住所業者のことを、 RESIDENT AGENT といい、レジデント・エージェント・フィーは、やはり、毎年、250ドル前後が一般的でしょう。通常、設立代行をしてくれる業者さんなら、どこでも、住所貸しも、納税者番号取得代行も、やってくれます。

 

米国在住者の場合は、通常は、自宅がある州、または、投資物件が存在する州で LLC を設立するのが、一般的。

 

米国外の方は、逆にどの州で設立してもいいわけですが、「デラウエアは、州税がないからいいはずだ!」といった思い込みをせず、

 

1)どこで WHERE
2)何を WHAT

 

を営業するのかを出発点として、設立州を検討しましょう。長期保有を目的とする不動産投資家の場合は、投資先の州で買うべきです。

 

さて、最後に、ネットや英語が不案内な方の場合、日本人業者への代行を頼まれると、フィーは、上で説明したより、もっとずっと高くなります。

 

せっかく米国不動産投資に着手されるなら、単純なケースであれば、英語でのやり取りにチャレンジされてみるのも一手です。

 

この記事のまとめ

米国不動産投資に関わり、LLC 設立をしていく場合、どの州で、営業するかという問題について、ご説明しました。基本は、投資先物件のある州です。タックスヘイブンで有名なデラウエアやネバダは、別段、不動産投資家にとっては、選ぶような意味はありません。

LLC 設立と維持のコストですが、英語サービスでよければ、設立に250ドル、年間経費は、州ごと(リスト参照)。これにプラスオンで、営業住所レンタル代が年間250ドル位です。更に、税理士さんを頼む場合、米国での確定申告代行コストが300ドル位から、といった感じの計算。

設立後の年次経費、毎年のホールディング・コストは、

STATE FILING FEE + RESIDENT AGENT FEE + TAX PREPARER FEE 州の更新手数料 + 貸し住所フィー + 確定申告の税理士先生のフィー

というわけです。(もちろん、これらは、経費であり、税金は別途計算します。)

日本人の業者さんや税理士先生にこれらをすべてお願いする場合は、上よりだいぶ高くなります。

一人 LLC を作り、100%オーナーとなって、投資先の州で不動産を買う、といった単純なケースなら、LLC 設立を、英語 ONLY の会社で行うことは、それほど難しくありません。

 

お断り

 

私は、日本、米国その他いかなる国でも、税務関係の資格はありません。この記事については、ブログという媒体の性質上、更新時にお気をつけください。