アメリカの中流物件には、コンドミニアム【区分所有、つまり、一般に言うマンションのこと】でなくても、管理組合【ホームオーナーズアソシエーション、home owner's association】というものがあります。
住民優先ではなく、新築のデベロッパー案件は、大体、デベが作ってしまっておきます。その上で、管理組合をマネージメントするのが専門の会社に、外部委託するのです。一戸建てでも、ゲーテッドコミュニティー【gated communityについては、こちらから。】ですから、共有部分のメンテが重要。
管理費は、高いです。ベガスだったら、一戸建てで、100ドルUPが普通。カルフォルニアやハワイの高級コンドミニアムだったら、電気水道等各種料金も入るため、四捨五入をすると、1,000ドルに手が届くそうです。
管理組合の目的は、ずばり、資産保全。
管理組合と、出入りを制限するゲートは、いまや、アメリカ社会におけるコミュニティビルディングの両輪となっています。
資産形成エリアで、中流、ワーキングクラスの物件を持つのなら、これがないと、話になりません。【それに対し、私が同時に進めている高キャッシュフロー型投資の場合、HOAがないような一般の通りにある物件を取得するため、HOAに管理費を払う必要はありませんが、他方では、保険や、事故のリスクが、より高くなるのです】
この目的のためには、管理組合は、ビッグブラザーとして、
■家の外観や自分の庭の管理
■居住者のコミュニティ内での行動
■物件貸し出しのときの条件
に細かく口を出してきます。
「あなたは、ゴミの集荷の時間が過ぎた後でも、ゴミ箱を出しっぱなしにしていたでしょう。」
「あなたは、庭の芝生を、伸び放題にしていますね」
毎月、インスペクターが回ってきて、細かく、採点をしていきます。
私は実は、ベガスでは、自分の物件は、自分で管理をしています。前、キャッシュフローが少なかったとき、ケチをして、管理会社のフィーを節約するために、そうしていたのですが、それで特に問題がないので、そのまま、テナントと直接やり取りをするのです。
しかし、本来、不在オーナーに代わり、管理組合とインターフェースするのも、管理会社の役目。
テナントとのやり取りは、おかげさまで、良い人たちなので、問題ありませんが、管理組合【HOA】のうるさいこと、細かいこと。
規則で、「通知を送る住所は一箇所だけ」ということなので、直接テナントさんに連絡事項を送らせるわけにはいかず、私に何か来てから、一緒に対応するべきことの場合、連絡を取り合って、行うことになります。
この前は、一度に4つも5つも違反事項がたまってしまい、恐ろしい目にあった私。
違反1
ゴミ箱を、水道メーターの前に出しっぱなしにしている
違反2
テナントの息子が、プールの中に、小石を投げ込んで遊んでいる
違反3
ガレージ脇の外壁に、5センチ四方ほどの傷がある
違反4
前に不動産屋さんが残していったたて看板の柱がまだ立っている
違反5
家の番地を示す番号が壁から落ちて、住所がわかりにくくなっている
テナントのSさん一家は、人に迷惑をかけたり、家賃を滞納するようなことは絶対ありませんが、能動的なタイプではありません。
まずはメールなどで連絡し、電話会議。
違反1
→ 隣の家のやっていることだ!うちのゴミ箱じゃない
違反2
→ 自分の息子は身長2メートルのティーンで、プールに小石を投げるような暇はない
ということで、まずは、二つについては、その旨を申告。
3から5については、急遽、私が走り回り(といっても、リアルにではなく、家で、あたふた、という意味ですが)、修理業者や、不動産屋さんに連絡。
修理が必要と指摘され、罰金をかけられそうになったのが、下↓
だれかに、当て逃げされたのですね。
こっちでは、ハウスナンバー、家の番地表示が、落ちてしまっています。
はい、ゴメンナサイ。コミュニティのレベルを引き下げるような物件管理をしていたわたしが、悪うございました。
二つあわせて、修理業者で、265ドル。OKです。了解。できるだけ早く、お願いします。
ということで、見事、テナントさん立会いの下、修理も終了し、上のすべての「違反」が解消することができたということで、私は、頭をなでてもらえたのでした。
下、HOAからの、サンキューレター、、、
実は、数年前まで、私の物件があるコミュニティの管理組合を任せているこの管理会社は、大変対応が悪く、大混乱でした。
現在、有能なマネージャーがいて、オンライン体制もクリアになっています。違反については、「何が問題なのか」と問い合わせると、違反箇所を、ちゃんとすぐ写真で送ってきてくれたり、なんでも対応してくれるので、「けちをつけられている」わりには、「気持ちよく、ビジネスライクに、問題処理に当たれる」ため、担当者には、大変感謝をしています。今日も別件で、担当者のアシスタントと話をしましたが、「おたくも、ようやく、良くなってくれて、助かるわ」といったら、彼女も、前の混乱を耳にしているらしく、苦笑していました。
上の二つの修理も、私のテナントさんのせいではなかったわけですが、テナントさんに任せておいたら、我慢して、注意をしてこなかったところですから、確かに、管理組合とのやり取りで、私も、物件管理につき、助かるところがあったわけです。
このように、ここ5年近く、視察にいったことが無いこの物件について、管理会社を使わないで済ませられているのは、テナントさんとのやり取りが問題ないほか、管理組合が、管理会社にかわって、物件に目を光らせる体制があるからでもあります。
このように、私自身は、この物件については、管理組合やらの助けを借りて、自分で管理しており、今のところ、特段不都合を感じていませんが【ただ、管理に対して、自分の手間がかかっていることだけはお分かりになったと思います】、一般には、遠距離投資家は、資産形成エリアの投資物件維持コストとしては、
管理組合費
管理会社フィー
両方を、計算に入れなければなりません。
管理会社、管理組合と協力して、テナントさんが、規則を守ってくれるように働きかけたり、逆に、管理会社、テナントさんと協力して、管理組合の要請に対応したりと、こういった話は、あるいは、区分所有オーナーには、物珍しくはないでしょう。管理組合費についても、修繕予備金を含め、家賃が数万という小さいマンションでも、管理費1万円は、当たり前です。
築年数が進むと、こういった管理体制が、できているかどうかが、物件の価値を、大きく、変えていくのは、日本も、同様。
例によって、事務方の方には、鼻薬です。
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