アメリカ不動産投資で資産倍増中!ブログの管理人の中山道子です。
米国で依然、一般的な支払い手段の一つ、小切手のやり取りをしなければいけない際には、現在は、銀行のアプリをダウンロードし、デジタルでやり取りすることができますのでお試しください。
今日は、アメリカ不動産投資の鬼門の一つ、支払いについて。 欧米圏で発達した小切手のシステム、現在、他の国では、そこまで利用されていませんが、米国では、未だ健在。もちろん、利用率は下がっており、下の記事によると、「2017年現在、米国人は、平均して、年に38回、小切手を振り出すか受け取っている」だけなんだそうです。しかも、BTOB(ビジネス間)の決済の半分は、まだ小切手だそうで、、、
Why Can’t Americans Ditch Checks?
The Spectacular Decline of Checks
年間38回というと、月間3回以上。もはや主たる決済手段でないことは明白ですが、まだまだ、廃れゆくシステムでもなさそう、、、
小切手システムは、電子決済に比べ、ずっとコストがかかるそうですが、その反面で、「既存の不合理」を前提にした合理的なシステムが成立してしまっているのが困りもの。
例えば、「家賃の支払いは毎月1日までに」ということになっていれば、銀行振込が確立している日本なら、前月の31日までに振り込まない賃借人は、1日の段階で、イエローカードです。
しかし、米国では、1950年台には合理的だった小切手システムが依然横行しており、小切手が届くまでにかかる郵送期間分はおまけしてあげるのがふつう。
これを、GRACE PERIOD (猶予期間)と呼びます。
具体的には、「家賃を1日までに支払いなさい」という契約は、通常、契約書にあるグレース・ピリオドを前提にすると、小切手が4、5日までに到着すれば、セーフということになります。
家主にとっては、ここから、小切手を銀行に持っていって、DEPOSIT(振り入れる)する必要があります。また、その小切手の振り出し額が、実際に確定(SETTLE)されるまで、最大2日位かかることもあります。
なので、小切手のサイクルでの家賃振込みは、
> 月のはじめ、1日までに家賃を払う契約なのに
> 小切手がつくのが4日
> 時間を作り、銀行に行ってそれをデポジットするのが10日
> 実際に小切手が CLEAR する(該当口座にちゃんと資金があるかの確認)のにまた2日
で、結局、1日にお金を受け取るはずが、そこから2週間かかった、という話になります。
そのため、日本の管理会社さんとの付き合いに慣れている不動産投資家様は、家賃の振込は、月の頭に手配をしてもらえることが当然だと思われていると思いますが、米国では、管理会社さんは、上のサイクルを前提に、家賃の振込手配は、月の後半、例えば、20日に設定していることが圧倒的なのです。
しかも、たまに、BAD CHECK といって、「残高がないのに、家賃用の小切手を振り出してよこす」賃借人もいたりします。
これは、毎月、自転車操業的に資金繰りをしているため、残高と小切手の出入額を管理できていないか、そもそも、あてがないけれど、追い出されるまでの時間稼ぎに、口座に残高がない事がわかっているのに、小切手を振り出すわけです。
ちなみに、お金がないのに小切手を振り出す行為は詐欺に該当しえますが、意図(INTENT)を証明しなければいけないので、ふつうは、刑事事件にはなりません。
バッドチェックが振り出されたとして、上のスケジュール例に戻ると、残高なしの口座からの小切手を銀行に持っていくのが10日なわけですから、12日以降にようやく、「結局デポジットされなかった」という事実が確定する、という次第。
そうすると、該当テナントが不払いテナントであることが発覚し、管理会社が、テナントに連絡、アクションを開始してくれるのは、月の半ば、12日以降ということになり、本当に非効率!
こうした様々な手間があるため、米国の小切手というのは、不動産投資家、特に、海外居住者にとっては、たいへん苛立たしいシステムといって間違いありません。
長くなるので、端折りますが、海外在住の投資家様の場合、便利な受け取り方が、BANK BY MAIL。
どの銀行にも、「小切手の郵送を受け付ける窓口」が用意されているので、マイバンクで、そこの住所を調べ、自分宛てに小切手を振りだそうとしてくれている相手がいる場合は、「自分宛ての小切手は、銀行のバンクバイメイル住所に郵送で送ってください。その際には、私の名前を小切手に書くだけではなく、口座番号をメンションし、私のこれこれの口座に DEPOSIT するように指示をしたメモか DEPOSIT SLIP を忘れないで」と相手に頼むわけです。
この昔ながらのバンクバイメイルに加え、最近、便利なのが、小切手のデジタル利用。
2003年に法律が通過したため、小切手のデジタルデポジットが可能になったのだそうで、現在、多くの銀行で、携帯電話用のアプリが無料でダウンロードできるようになっています。
アプリを使ってどうやって小切手を自分の銀行口座に振り入れるかというと、私の使っている銀行のアプリの例ですが、大変簡単です。
《小切手のデジタルデポジット方法例》
1)小切手の表と裏を両方、黒い表面において、写真撮影。これは、アプリ内の写真撮影機能で行います。
2)小切手の裏には、裏書きのサイン(ENDORSE)が必要です。これは、サインをしていない裏側の例。
3)アプリの指示に従って表裏の写真をアップロードすると、「デポジットされました」と表示され、すぐに口座に反映します。
下に、参考までに、日本人に人気のユニオンバンク銀行のビデオを参考までに貼り付けておきます。ENDORSEの方法がいまいちわからない方は、下のビジュアルをご参考にされてください。
留意点として、この方法によるデポジットが可能な額には、通常、1日の上限額や1ヶ月の上限額があります。なので、この方式で、1万ドルといった6桁のやり取りは通常できません。
最後に、この小切手のデジタルデポジットが爆発的に便利になる裏技をご紹介します。
私も、過去に、何回か、経験しています。ただ、銀行にとっては、想定外利用なのかもしれません。うまくいかない場合は、あしからず。
その方法とは、、、
小切手を郵送してもらうのではなく、この記事に出ている小切手の写真のように上手に撮影をしてもらい、相手にメールしてもらうという裏技。
その上で、PC上のデジタル加工で、裏側画像に、自分のサインを入れます。このサイン、どうも、銀行に登録したサインでなくても問題がないようです。
なので、実際の小切手が手元にない場合は、適当なフォントでテキスト入力するか、フリーハンドで自分のサインをできるだけ真似るか、どちらかを。
そうすると、例えば、遠隔の不動産オーナーは、家賃の小切手を賃借人からデジタルで送ってもらうと、それを持ってアプリ経由で、自分の口座に家賃がデポジットできるというわけ。これなら、小切手の画像をもらったら、すぐにデポジット手配できるので、相手も、小切手システムを悪用した時間稼ぎができません。
万が一、後日、デジタル上のサインが登録されているサインとは別だということで、問い合わせがあったとしても、第三者不正利用ではなく、実際に自分に対して正当な理由があって振り出された小切手をデポジットするために、携帯番号を登録し、ウエブサイトに正式にログインをして、本人が手配をするわけですから、まあ、状況を説明をすることで、解決できるのではないでしょうか。
あくまで少額取引の裏技です。
この記事のまとめ
米国の不動産投資家は、小切手のやり取りが必要。現在は、スマートフォンのアプリを使い、電子デポジット手配が可能です。バンクバイメイルと合わせ、投資テクとしてご利用ください。