「アメリカ不動産投資で資産倍増中!」ブログ管理人の中山道子です。
この記事の概要 アメリカ不動産投資にあたって避けられないのが不動産税。課税は州に任せられているため、全国一律の日本と違い、割高な州、自治体と、そうでもない州や自治体があります。 調査によると一戸建ての昨今の平均的な税率は、価格の1.17%、金額的には、3,399ドルです。 全米一覧マップを紹介しますので、ご参考になれば幸いです。
数年前までセミナーをよくやっていたので、「最近セミナーはされないんですか?」というお問い合わせがよく来ます。すみません、最近、面倒なのでやってません。
実は、既存のほとんどのお客様は、投資着手に当たり、お目にかかったわけではありません。何年かお取引をするうちに、都合がつく折にご挨拶させていただく機会が生じる、という感じです。
前、中国に住んでいた際に、何度か投資を試していただいた後、「北京に来るついでがあったら妻に会ってください。そうしないと、これ以上、投資許可が出ません」というお客様がおいででしたが、お目にかかることはできず、疎遠になりました。
配偶者の了承がご自身で取れない方は、やはり過去に何かの失敗があったりして、信用をされていないなどの理由があるのでしょう。そういう場合に、第三者が配偶者を説得できるはずがありません。ご自身が、この問題を解決される必要があるのです。
私自身について御照会がある場合は、長い付き合いのある顧問弁護士や公認会計士をご紹介しますのでお問い合わせください。現地ブローカーについても同様です。
そんなわけで、セミナーなどのイベントは、今特に予定はないのですが、もしやるときはブログとメルマガでアナウンスさせていただきますので、このページの右上から、メルマガ登録かRSSフィード登録をよろしくおねがいします。
ですが、そのかわり、ブログでは、「セミナーレベル、有料レベル情報」をご提供するように努力しますね。
さて、アメリカ不動産投資に着手する際に気をつけなければいけないのが、コスト管理。アメリカの不動産は、税金、保険、修理に管理といずれも結構な額がかかります。
米国でも、不動産を所有する場合、固定資産税の納税が必要になります。
日本では、標準税率は、評価額の大体1.4%。
税率だけ見れば、米国と比べ、安いということはないのですが、そもそも、日本では、固定資産税評価額は、実勢価格の7掛け、半分であったりするので、一般的には、固定資産税は、米国よりずっと安いイメージです。
米国の固定資産税が高めなことには、複数の理由があります。
第一に、州によりますが、米国では、多くの州で、固定資産税評価額は、実勢価格に近い額なのです。
第二に、米国では、自分の自宅に係る税率と投資用物件に係る税率が異なり、後者のほうが高いということがあります。(HOMESTEAD とか OWNER OCCUPIED と呼ばれる)
今回の記事で紹介するのは、2016年に、タックスファウンデーション(税金財団)という非営利団体が発表した資料。同団体の2015年次の調査に基づく各州の固定資産税の税率をまとめたものです。いずれも「自宅用」という想定。
ただ、固定資産税評価額の算出は、予算がかかるので、そういう予算をきちんと計上し、毎年のように最新評価額を市価に準じて更新できている自治体とそうでない自治体があり、また、エリアによって、標準的な物件価格が大きく異なるので、下の図も参考にしてみてください。
各州ごとに、人口一人あたり、どれくらいの固定資産税が払われているかの一覧地図です。こちらも、同じ団体から。2015年次資料です。
基本、どちらの地図も、紫が濃いほうが、「税額や税率が高い州」。
これを見ると、税率が全米一低いのが、ハワイで、税率0.28%は格安です。
ただ、物件価格自体は高めなので、一人あたりの納税額は、ランキング上、38位で、50位が一番安いので、「安めの方」ではありますが、全米一安いとは言えません。一人あたりの納税額が全米一安いのは、アラバマ州。税率も0.49%でハワイの次に安いそうです。
やはり日本人や外国人に人気のカルフォルニアも、税率自体は低い州ですね。
他方、ニューヨークや、最近不動産価格が高騰しているテキサスは、相当高い方で、税率のみならず、一人あたりの納税額で言っても高めですね。
投資をする際には、更に、実際には、税率は、この「自宅用の税率」より高めになることを覚悟します。
ちなみに、ここらへん、複雑なのですが、「過去に該当物件が、長らく自宅として名義人によって保有されていた物件」というのは、評価額が低めで、よって、課税額が低めなことがあります。
どうしてそういうことになるかというと、固定資産税の値上げ率が、自宅だと優遇されることが多いから。例えば、ネバダ州のラスベガス市のあるクラーク郡の固定資産税の課税基準を見ると、
1)固定資産税は、毎年、最大8%以上は値上がりしないことに決まっている
2)自宅物件の場合は、3%以上は値上がりできない
というルールがあるため(TAX ABATEMENT INFORMATION )、「過去20年間、誰かが自宅として利用していた物件」が市中に FOR SALE として掲載されると、固定資産税が、周囲の類似物件に比べ、不自然に安いということが生じえます。
もちろん、誰かが投資用に買えば、翌年からいきなり、OWNER OCCUPIED でなくなり、数年間のうちに、この物件の税額はどんどん上がりますが、毎年の値上がり率には通常キャップがあるため、完全に標準レートになるまで、数年以上かかります。
細かい話ですが、こういう物件は特に人気があります。ただ、もちろん、税金が安いからと言って購入価格を釣り上げてしまえば、税金の割引分以上に払ってしまうことになるので、注意しましょう。固定資産税が、周囲に比べ、永久に安いといったようなオイシイ話ではありません。
ちなみに、最近、トランプ税制改革で、2018年から、自宅の税控除枠が減額され、現在、「大きい自宅をローンで買い、所得からガッツリと税控除を計上し、値上がり益はそのまんまキャプチャー」というこれまでの期待が少しそがれることになりました。
その一環で、固定資産税の所得控除も、原則、1万ドルまでという上限が設定され、高額物件を買うことがそれほど魅力的でなくなったのではないかとも言われています。
New tax law expected to slow rise of home values, creating winners and losers Your property taxes just jumped by more than 50 percent. Now what
実需のニーズは、投資家には直接は関係ないですが、実需ニーズが値上がりに一番影響を及ぼすという意味では、そうした税制改革の状況に注意を払うことに意味があるでしょう。
現在、不動産価格上昇に伴い、固定資産税もうなぎのぼり中で、実需オーナーと違い、保護を受けられない投資家様は、悲鳴を上げているかもしれません。現在、家賃も上がっていますので、賃料更新時に、相場を調べ、そこそこの値上げを要求せざるを得ないでしょう。
アトムデータ社の最新調査によると、2017年の一戸建て固定資産税平均額は、恐怖の3,399ドル。物件評価額の1.17%という想定です。
最後に、これだけ納税額が違うと、投資家は、当然、「固定資産税が低めの州を選ぶ」のではないかという仮説が成り立ちそう。
大規模調査はざっとグーグルしてみたところではなさそうな雰囲気でしたが、上に上げたアトムデータ社が近年の相場を、2012年から2017年まで、5年ほどトラッキングした結果の簡易調査によると、その傾向はあり、カルフォルニアやハワイはその例、ただ、ニューヨークやテキサス、イリノイのように、固定資産税が高めなのに、値上がりがある例外も見受けられる、という結果でした。
Are lower tax rates linked to higher home appreciation?
固定資産税率の高低が値上がり率を決めるかというと、影響はあるけれど、要因は当然それだけではなさそうだというわけですね。
もう一つ、全く正反対の考え方として、固定資産税は高めでも、意味があるという考え方もできます。
というのは、米国では、固定資産税は地元自治体の警察や学校の予算に使われるため。
固定資産税が高くても、その結果、治安や学区がよいということであれば、むしろ、実需組がこぞって殺到する状況が生じるわけで、税率が同じでも、物件が高いエリアというのは、自治体の教育費がより潤沢で、教育区としても、より評価が高い傾向があります。
そういうところでの賃貸経営は、子供を学校に通学させたい賃借人が引きも切らずで、鉄板になることでしょう。買いたい人も同様に多いわけですから、値上がり率も、平均以上になることが多いわけです。
Good School, Rich School; Bad School, Poor School
もちろん、この戦略の弱点は、固定資産税がそこそこで、実需組に人気があるエリアというのは、通常、物件価格が高すぎ、投資としては安定する反面、キャッシュフローは無きに等しく、むしろローンを組めば、マイナスキャッシュフローになりがちであるということ。
固定資産税が平均税率1.17%ということは、85年間物件を所有すれば、その間に、固定資産税の支払いだけで、物件価格と同額の支出をしなければいけないということです。
物件を購入する際には、いろいろな配慮が必要です。
この記事のまとめ
固定資産税の納税額は、州や自治体によって大きく異なるので、気をつけましょう。全米マップをご参考にされてください。
但し、該当州の税率と具体的な自治体の税率が異なる場合があるので、同一州内でも、最終税率は自治体により定められますので詳しくは、投資先の物件の所在する自治体ごとに調べられる必要があります。