対米不動産投資家の中山道子です。自分用に、2003年から米国不動産投資に着手し、時代を反映し、最初、ビギナーズラックで儲かってしまったり、その後、上級者のやっていることに、わけも分からず手を出して、失敗したりといった経験を経ています。
その後ですが、現在、自分の投資の他、コンサルタントもやっているので、決済のお手伝いは、常にやっています。
今回、英単語と言うことで取り上げたいのが、ADDENDUM。
契約書に対する補足条項の書類です。
通常の不動産取引の流れの最初の部分を、おさらいしてみますと、
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■売主は、自分の所有物件を、レアルター(不動産業者)に、物件掲載依頼する。
米国では、売却のためには、専属契約が必要です。普通は、6ヶ月単位です。売り手側のエージェントのことを、セラーズエージェント(seller's agent)と呼びます。
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■物件は、MLS(Multiple Listing Service、米国の本家REINS)へ掲載される
仲介業者は、日本のように、レインズに掲載せず、自社内で物件をとり置いておくこと(pocket listingと呼ばれるそうです)は許されません。見つかると、業者掲載特権剥奪といった厳しい措置があるからだそうです。
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■ちなみに仲介コミッションは、慣習では、通常、売主側が3%、買主側が3%です。
しかし、米国では、この合計の6%は、買主ではなく、全部、売主が払います。購入するときは、業者への礼金は、ありませんが、売却時には、売却価格の中から、業者さんに、最大6%が支払われることを覚えておくといいでしょう。
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■業者さんが、気に入った物件に対し、州の不動産協会(Realtor Association)の買付証明(Purchase Offerなどと呼ばれる)をファックスします。
この書類は定型ですが、カスタマイズする形になっています。また、ニーズに応じて、複数の書式が用意されています。
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■あちら側で、売主がOKすれば、それで、契約の本格的な締結や履行の段階に進みます。
オファーが受け付けられた場合は、手付金(earnest money、アーネストマネー、EMといった略仕方をする場合もある)の小切手を差し入れます。
このアーネストマネーは、向こうの業者さんや売主さんに行くのではなく、通常、売主の指定する決済代行会社(escrow company, title agency、エスクローと略したりもする)の決済口座開設に使われます。決済口座のことは、エスクローアカウント(escrow account)と呼び、銀行口座同様、番号が振られます。この短期決済口座が、その物件の取引に当たり、すべてのやり取りの結合点となるのです。
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ここで、主要な契約が成立してからが、アデンダムの出番というわけです。
例えば、現在、私がお手伝いしているラスベガスの案件では、下のようなアデンダムを、取り交わしたばかりです。
1)物件内の中古洗濯機と冷蔵庫は、合計300ドルで購入する
2)現在居住中の賃借人の敷金795ドルを、引き渡す
3)月半ばの決済なので、家賃の日割り計算をする
この決済については、実は、このアデンダムに関連して、驚き?の裏話が。
少し長くなってしまうので、回を改めて、、、